検診・ワクチン
コルポスコピー
コルポスコピー
子宮頸がん検診を受けられていますか?
頸がん検診の受診率は低い
現在日本では、厚生労働省の「がん予防重点健康教育および、がん検診実施のための指針」において、20歳以上の方を対象に、2年に1回の細胞診による検診が提言されております(性交渉の経験のある場合)。
世界でみると、日本の頸がん検診受診率は低いという問題があります。
20歳以上は子宮頸がん検診を受けましょう(性交渉の経験のある場合)。
世界各国の子宮頸がん検診受診率
(OECD加盟国における20~69歳の女性)
OECD Health Statistics 2019, http://dx.doi.org/10.1787/health-data-en. より作図
さらに、年代別に子宮頸がん検診受診率を見ると、20代の方の受診率が低いことがわかります。
日本における年代別子宮頸がん検診受診率
平成28年 国民生活基礎調査の概況 より作成
子宮頸がんの罹患率・死亡率は増加傾向
日本において、近年、子宮頸がんの罹患率・死亡率は増加傾向にあり、年間約11,000人の女性が子宮頸がんを発症し、約2800人の女性が亡くなっています。
近年、子宮頸がん*の罹患率・死亡率は増加傾向にあり、
年間約10,000人の女性が子宮頸がんを発症し、約2,800人の女性が死亡している。
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん登録・統計」 地域がん登録全国推計によるがん罹患データ(1975年~2014年) より作図
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん登録・統計」 人口動態統計によるがん死亡データ(1958年~2017年) より作図
日本における子宮頸がんの罹患率・死亡率
なかでも、20~30歳代の女性特有のがんを見てみると、若い世代で子宮頸がんの罹患率や死亡率が増加する傾向にあります。
近年、若い世代で子宮頸がん*の罹患率や死亡率が増加する傾向にある。
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん登録・統計」 地域がん登録全国推計によるがん罹患データ(1975年~2014年) より作図
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん登録・統計」 人口動態統計によるがん死亡データ(1958年~2017年) より作図
日本における20~30歳代の女性特有のがんの罹患率・死亡率 年次推移
特に、女性の出産年齢と年齢別子宮がん発症率を比べてみてみると、出産年齢のピークと子宮頸がんの発症年齢のピークが重なってきていることがわかります。
「出産年齢」のピークは30歳代前半
子宮頸がんの「発症年齢」のピークが重なってきている。
厚生労働省 平成26年人口動態統計月報年計(概数)の概況 母の年齢(5歳階級)・出生順位別にみた出生数の年次推移 より作図
国立がん研究センターがん対策情報センター「がん登録・統計」 地域がん登録全国統計によるがん罹患データ(1975年~2014年) より作図
女性の出産年齢と年齢別子宮頸がん発症率
子宮頸がん検診
子宮頸がんの早期発見は重要です。
ぜひみなさん、子宮頸がん検診を受けてくださいね!
全ての検査を必ず院長が担当いたします。
子宮頸がん検診(細胞診)
●子宮頸がん検診で行われる最も一般的な検査です。子宮頸部(子宮の入り口)を、先にブラシのついた専用の器具で擦って細胞を採り、異常な細胞を顕微鏡で調べます。
●20歳以上は2年に1回、子宮頸がん検診(細胞診)を受けましょう。
●子宮頸がん検診(細胞診)の結果が「子宮頸部異形成の疑い」や「要精密検査」「細胞診異常」と指摘された場合は、精密検査(HPV検査やコルポスコピー検査)を受けましょう。生理中は避けて検診を受けてください。
HPV検査
●子宮膣部から細胞を採取し、子宮頸がんの原因となる、ハイリスクのHPVに感染しているかどうかを調べる検査です。細胞診がリアルタイムの情報提供となることに対して、HPV検査は将来を予測した情報を提供するという特徴もあります。
●国立がん研究センターの有効性評価に基づく子宮頸がん検診ガイドラインでは、細胞診単独法に加えて、HPV単独検査法も、推奨グレードAとなっております。
●子宮頸がんのハイリスク群は13種類とされています。
型別に、16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68型です。
このうち、16型、18型が最もがんに移行しやすいタイプで、日本人の子宮頸がんの約60%はこのタイプで、感染した後の進展スピードが速いといわれています。
コルポスコピー検査(組織診)
コルポスコピー外来(子宮頸がん検診 精密検査外来)Colposcopy
●子宮頸がん検診を受けられた方の約3%程度が、「異常あり、要精密検査」となり、精密検査を受ける必要があります。
●精密検査は、コルポスコピー下での組織診やHPV検査を組みあわせて行います。
●コルポスコピー(膣拡大鏡診):子宮頸部を観察しながら、病変が疑われる部位から、組織の小片を採取する、病理組織検査となります。軽度異形成(CIN1)、中等度異形成(CIN2)と診断された場合は、HPV 遺伝子型を確認します。高度異形成(CIN3)や上皮内癌(CIS)、浸潤がんの場合は、手術適応となります。
子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)分類
病気がみえる vol.9 婦人科・乳腺外科 第2版:141 より改変
●また、子宮頸がん検診で、ASC-USと診断され、ハイリスクHPVが陽性の場合も、精密検査としてコルポスコピーと精検を行い、子宮頸部異形成などの病気の有無を診断します。
●当院では、実際のコルポスコピーの様子をご一緒に確認しながら、スライドを用いて丁寧にご説明させていただきます。
●他院にて子宮頸がん検診を受けた方でも、当院にて検査可能です。
なお、精密検査は検診ではなく、診療行為として健康保険でカバーされます。
手術が必要な場合は、迅速に適切な医療機関をご紹介させていただきます(高度異形成、上皮内癌の場合は、ご希望に応じて日帰り円錐切除可能です)。
浸潤がんに進展する前に診断することは重要です。頸がん検診で異常を指摘され、不安なお気持ちを抱えていらっしゃるかと思います。不安や疑問に一つ一つ寄り添いおこたえしつつ、できる限り痛みの少ない診療を心がけております。月経の時期を避けて、ご予約下さい。